コトバのコラム 「コトバ大」山葉のぶゆきの週刊連載コラムです。

第9回:ライター なるには。その3

先週からの続きです。
【ライター なるには】つまり【メディアから依頼を受けて、文章を書き、お金を頂く】ためには、業界の基礎知識を得ることが必須であるところまでお伝えしました。

では、次の段階です。基礎知識の次に必要なのが、最低限の文章力と取材力。これもできれば、前回お伝えした以下のどれかの方法で、基礎意識と一緒に学んでおきたいところです。

・出版社や編集プロダクション、ライター事務所に入る。

・メディアとして機能しているwebサイトの運営会社に入る。

・学校や教室で最低限の基礎を学び、未経験者でも参加できるいくつかの媒体で執筆する。

・未経験者でも参加できる媒体で基礎を教えてもらいながら経験を積む。

やはり道は少なく感じますよね。ただ文章を書く、というのは、メディア制作に関わる他の仕事、例えばデザイン、写真、イラスト、web構築などとは違い、誰もが子供の頃から当たり前に行なっていること、なんです。

なので、ライターを目指している人のなかには、圧倒的にうまい原稿が書ける人から、残念ながらプロの原稿から程遠い人まで、大きな差がある。これは他の仕事と比べてライターになることが有利な人もいる、という意味です。

勉強をせずにデザインソフトを使っていきなりグラフィックデザインができる人はいません。同じようにカメラを持って、いきなりプロと同レベルの写真を撮るのは不可能でしょう。しかしライターなら、文才と理解力と器用ささえあれば、プロと同レベルの文章がいきなり書けてしまうのです。

そして、もし原稿を書くのが上手くないなら、カメラマンやデザイナーと同じように、一から学習するだけのこと。

それこそしっかり1年くらいやれば、多くの人は通常のライターレベルの原稿が書けるようになります。僕の経験ですと、かなりの劣等生でも3年くらいは必要でしたが、やがては良い原稿が書けるようになり、それから1年ぐらいで、誰よりも早く、僕よりも素敵な原稿が書ける本物のプロに成長しました。

つまりライターの技術とは、文才のある限られた人だけのものではなく、学習さえすれば本当に誰でも習得できるものなんですね。

ただ最低限のスキルを身につけた人が、次にぶつかる壁があります。

それは誰もあなたのことを知らない、ということです。

当たり前といえば当たり前ですよね。街を歩いていればちょくちょく見かけるコンビニや、看板を出している飲食店、病院、ヘアサロン、またはCMを打っている企業ではない、例えば個人経営の弁護士、探偵、靴職人などなどは、僕たちもほとんど知らない。

しかも、弁護士、探偵、靴職人などは、よく分かりませんがきっと、わざわざ必要な時に探される職業だと思う。そういう意味では、ライターはさらに不利なのかも知れません。看板も出していない上、一般の人からわざわざ探される職業ではないですから。

しかし現代のメディア制作の背景を考えると、フリーライターというのは必要不可欠な存在です。さらに、その境遇はあなただけでなく、すべてのフリーライターが同じ。みんな看板もなく、わざわざ探されてもいないんですから。

ということで基礎意識と執筆力も身につけた次の段階としては、「普段からライターに仕事を依頼している人に、自分の存在を知ってもらう」ことが大切になります。

引っ張るようで恐縮ですが、ここからはまた次週!