コトバのコラム 「コトバ大」山葉のぶゆきの週刊連載コラムです。

第10回:ライター なるには。ラスト

前回までは、何かしらの方法で基礎知識と文章力を得たとして、次に大切なのは「普段からライターに仕事を依頼している人に、自分の存在を知ってもらうこと」というところまでいきました。

早い話が、営業活動を行う、ということになります。

そのために考えなくてはいけないのが、一番最初に書いた、どんなスタンスのライターになりたいか、です。ちなみに、大きく分けて以下のようなタイプがあります。

【副業ライター】
週に数時間原稿を書き、アルバイト程度の収入を得るライター。

【一般ライター】
様々なジャンルの雑誌やwebメディアの執筆で生計を立てるライター。

【専門ライター】
得意分野があり、その道のトップを目指すライター。

どれを選ぶかで、営業先が大きく変わりますから、最低限これだけは決めなくてはなりません。

さて、目指すライターのスタンスが決まれば、次は媒体研究です。副業ライターであれば、どれくらいの時間を使えるのか、から考え、どの媒体の、どの原稿であれば、自分にできそうか、をピックアップしていきます。

一般ライターであれば、自分の比較的得意分野を考え、それを扱っている媒体をピックアップ。専門ライターにおいては媒体研究と並行して、そのジャンルに関係する情報を何かしらの形でまとめる(できればWEBサイト、ブログで発信する)ことも大切です。

で、媒体研究が進めば、あとは媒体の担当者にとにかく連絡する。雑誌の場合は概ねその出版社の編集部で、WEBサイトの場合はその運営会社か、記事制作を担当している編集プロダクションになります。

これはあくまで感覚値ですが、一般ライターの場合は2〜3媒体に連絡すると1媒体の担当者が会ってくれるイメージ。さらに3〜5媒体の担当者とお話すると、1媒体から現実的にお仕事を依頼される感じです。つまり1件の仕事を獲得するのに、6〜15媒体に連絡することになります。

また副業ライターの場合はできる仕事の内容(平日の昼間は働いているから取材案件はできない、など)次第、専門ライターの場合は自己プロデュース力や企画力・発信力次第で、もう少し有利になったり不利になったりします。

いずれにせよ、1件の仕事を獲得するのにそれほど連絡する必要があるなら、例えば10件の仕事を獲得するなんて不可能に思えるかも知れません。確かに単純計算すると60〜150媒体となり、そもそもそんな数の媒体があるのか?(多分ありますが)と疑問も湧きます。

しかし、この営業というのは「わたしはライターとして原稿を書きたいんだ」という意思の表れだからでしょう、例えば20媒体に連絡して8人の担当と会って、結果2件の原稿を依頼されたとしましょう。すると、その仕事をやっているうちにその2件の担当者や、あるいは会ってくれた他の6人の担当者が、また別の編集部を紹介してくれることも少なくありません(というのも、業界全体としては常にライター不足という現実があり「誰かいい人いないかな?」というセリフが日常的に飛び交っている世界なんです)。

なので不思議なことに、最初のとっかかりとなる仕事を見つけて、しっかりとやってさえいれば、知らない間に仕事は増えていくんですね。でないと、ライターという職業が成り立ちませんから。

といってもフリーになって最初の3年間は、満足いく収入を得るのは難しいでしょう。なので、これまで働いていた出版社や編集プロダクションから最低限の仕事をいただくか、別の仕事と兼用するか、家族に援助してもらうか、ある程度の蓄えを用意しておくか、何かしらの戦法を考える必要があります。また専門ライターに限っては、時代性や発信力が大きく関わるので、3年間で芽が出る補償もありません。

ただ、やらなかったら、もちろんどこにも行けません。今のままの毎日が続きます(悪いことではないと思いますが)。ですので、興味があるなら一歩一歩、ほんの少しづつでもいいから前進することをオススメします。

では、最後に【ライター なるには】の方法を纏めますね。

ステップ1
業界の基礎知識と文章力・取材力を習得する

ステップ2
どういうライターになりたいかを考える

ステップ3
媒体研究と営業をくりかえす

ステップ4
もらった仕事をしっかりと納品し続ける

すると、いつの間にかライターの仕事で大忙しの毎日がやってきます。本当です。

全4回という長いコラムにお付き合いいただき、ありがとうございます。
来週から元のゆるいコラムに戻りますね。