コトバのコラム 「コトバ大」山葉のぶゆきの週刊連載コラムです。

第13回:トゥーシャイシャイボーイ世代

時代によってファッションのブームが変わるように、人の気性というか性質も、時代によって流行があると思う。

それは、起こる事件やそれこそ服装、雑誌、映画、テレビなどにも大きく影響するので、そう考えながら、それぞれの時代にハヤッたものを見ているとなかなか面白い。

ちなみに僕の世代(1975年生まれ、前後数年の世代)を僕はトゥーシャイシャイボーイ世代と呼んでいるんですが、とにかくシャイなんですね。
例えば音楽の流行から見ていくと分かりやすくて、そういうカルチャーの影響を強く受けるのは13歳から18歳くらいだとして、僕世代のその年齢の頃はバリバリのバンドブームでした。
いわゆる第二次バンドブームですね。


その前の時代というと、音楽的に強い影響を与えたのが尾崎豊。
強いながらも刹那的なメッセージ性を感じます。
さらにその前というとロックとフォーク時代ですね。
これまた強い、そしてそこそこ強引なメッセージ性を感じる。

それに比べてバンドブームはというと。。
ユニコーンやザ・ブーム、レピッシュが代表だと思うんですが、メッセージに照れている、というか、僕らがメッセージなんて、、、という、つまりトゥーシャイシャイなんです。
いまいちわからない人は、奥田民生の歌詞を想像してください。
照れ屋でしょ?

同時に起きたムーブメントとしては、フリッパーズギターの登場から、小沢健二とコーネリアスがソロになるまでの流れ。
渋谷系なる言葉が流行し、カフェブームとともにボサノバなんかまで街に溢れます。
まさに東京は夜の7時なわけです。
このムーブメントもめちゃんこシャイ。
メッセージ=ダサい。
くらいのパフォーマンスが続出します(いや、その中でも確かにメッセージを届けてくれた人はいますが)。
なんにしても、メッセージが伝わりづらかったのは確かです。

さらに平行にスチャダラパー、電気グルーヴ、フィッシュマンズなどが登場。
メッセージ性が薄い音楽に慣れ親しんだ僕らを、さらにメッセージなき世界へ誘っていく。
いや、誤解がないようにしないとなんですが、メッセージがないのではなく、メッセージなき時代に育った人たちに、ちょうどいいテンションで、かっこいいことや恥ずかしいことがなんであるかを、彼らはこっそり教えてくれたわけです。
そう、あくまでもこっそりと。

で、そのあとには宇多田ヒカルに代表する、R&Bブーム、ジブラに代表するヒップホップブームが起きて、新しい手法で個人的なメッセージをストレートに伝え、共感を呼ぶ世代が登場します。
この時代で象徴的なのがドラゴンアッシュですね。
メッセージ性の強さが新しさとなり、一世を風靡。
時代のカリスマとなります。

つまり、僕らの時代の先輩は切ない社会へのメッセージを、先輩の先輩はゴリゴリに熱いロックンロールなメッセージを。
そして後輩たちも、クールに仲間や家族を大切にするメッセージを、自分たちの言葉で素敵に伝えている。
もちろん受け取った側も、それなりにそのスタイルは引き継いでいるでしょう。

ここで、大人なのに声を大にして言いたい。我々はメッセージを伝えるのが苦手な世代である!と。
シャイでボーダーシャツで猫背な世代である!と。
友だちと友情を語れず、家族に感謝を伝えられず、好きな女子に愛を叫べない、コミュニケーションに問題アリアリの世代でごさる!と。
シャイなりに言いたい。

僕たちも、もう40歳を過ぎました。
僕たちにシャイのかっこよさを教えてくれた人たちは、すでにメッセージをうまく伝えられるようになってます。

次は自分の番なんです。